- 「黙れ!さあ、決闘だ!どちらかが死ぬまでな!」
- ―ミストレス・チン
ミストレス・チン(Mistress Ching)とは、カトラー・ベケット卿がカリブで海賊を根絶やしにしようとしていた時期の盲目の海賊長である。チンは太平洋の長であり、七つの海の5つを旅したことで知られている。権力を持ったミストレス・チンは広東省に身を置き、裕福な淑女として長く生きた珍しい海賊である。
経歴[]
生い立ち[]
- 「あの、マダム・チンて女、大嫌いよ」
- ―バーバラ・ハンティントン
夫の死後中国の海賊連合の覇権を得て以来ミストレス・チンはジャンクの艦隊を指揮し、沿岸を恐怖に陥れた。彼女は中国と日本の密輸から利益をむさぼり、好みの処刑法として敵対者の首をはねた。
ミストレス・チンは数え切れない村々での襲撃・略奪、戦利品として耳の切り落とし、売春宿と賭博場の経営、戦略的に地元の商人を追い払うための闇社会との結束などの罪で東インド貿易会社から3,400ギニーの賞金をかけられた。
はぐれ海賊[]
1720年代後半、はぐれ海賊が公海で商船を攻撃し始めるとチンは難破船町の海賊の館で開かれた小規模な海賊長の会議に出席した。ヨーロッパが海賊に対して戦争を起こすことを防ぐためすべての海賊長がはぐれ海賊に対応することで同意した。この会合の席でチンは若き海賊ジャック・スパロウをドン・ラファエルとその孫エスメラルダに紹介した。
数日後、ジャック・スパロウがボルヤ・パラチニクこそがはぐれ海賊であると主張するとキャプテン・エドワード・ティーグは正式な調査を開始した。チンは難破船入江の海賊長たちとこの調査に立ち会った。彼女はボルヤの罪を確認することができる超自然の海の支配者デイヴィ・ジョーンズを召還することに賛成していた。
ジャック・スパロウとの再会[]
- ミストレス・チン: 「ジャック・スパロウ あいかわらずチャーミングね」
- ジャック・スパロウ: 「覚えてたか!"難破船の町"での海賊王の会議もお忘れなく」
- ミストレス・チン: 「エドゥアルド その海賊会議の使いの男 片付けとくれ」
- エドゥアルド・ビジャヌエバ: 「つまり殺せってことか?」
- ―チン、ジャック・スパロウとエドゥアルド・ビジャヌエバ[出典]
死者の宝箱の探索が行われていた頃、ミストレス・チンはトルトゥーガで友人である海賊長エドゥアルド・ビジャヌエバと売春宿を経営していた。彼女は難破船町で行われる4回目の評議会に出席して欲しいというヘクター・バルボッサからの召集を断っていた。その後まもなく、チンはデイヴィ・ジョーンズの心臓を見つけるための乗組員をトルトゥーガで募っていたジャック・スパロウと出会う。彼はふたりの海賊長を評議会に出席させようとしていた。エドゥアルド・ビジャヌエバを追ってトルトゥーガを駆け巡り決闘に勝利したジャックは剣を持つチンと向き合った。決闘中にチンの頭をゴングに打ち付けたジャックは戦いに勝利した。チンが目覚めると彼女とビジャヌエバは評議会に出席するため難破船入江に向けて旅立った。
海賊に対する戦争[]
- 「いいだろう。キャプテン・スワン、評議会の王。指示を頂戴したい」
- ―ミストレス・チン
評議会の会合において、要塞のような難破船入り江なら安全であると信じていたミストレス・チンはカトラー・ベケット卿率いる東インド貿易会社の艦隊と戦うべきだというキャプテン・エリザベス・スワンの提案に反対した。しかしジャック・スパロウが、お互いに殺しあうことになるだけだと発言すると意見を改める。そしてエリザベス・スワンが海賊王に選ばれるとようやく戦闘に賛成した。東インド貿易会社は評議会に対してブラック・コートを送り込んでおり、彼らは海賊長を分散させるとひとりひとりに攻撃を加えた。ミストレス・チンとビジャヌエバはマーケット・エリアに足止めされてしまう。ふたりはここでブラック・コートやブルー・コートと戦った。ジャック・スパロウの助けを借りた二人は兵隊やブラック・コートを倒して船に乗り込むことができた。彼女と乗組員たちはカリプソの大渦巻きの戦いを目の当たりにし、カトラー・ベケットとデイヴィ・ジョーンズが死亡すると勝利を祝った。その後まもなく、彼女は中国に戻って引退し広東省でかなり裕福な生活を送った。
舞台裏[]
- 『ワールド・エンド』においてミストレス・チンを演じたのはタカヨ・フィッシャーである。フィッシャーはゲーム版『ワールド・エンド』でもチンの声を演じた。
- ミストレス・チンは"ウィドウ・チン(未亡人チン)"としても知られたチン・シーをモデルにしていると思われる。彼女は1807年~1810年にかけて活動し歴史上もっとも巨大な海賊艦隊の長として経歴の最頂点に達していた。
- 本来の呼び名は「Mistress Ching」であるが日本語翻訳作品では「マダム・チン」と訳されている。