「これは作戦になかった」
このページには『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』の重大なネタバレとなる情報が書き込まれています。閲覧には充分ご注意ください。 |
『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』とは、2017年公開予定の『パイレーツ・オブ・カリビアン』映画シリーズ第5作目であり『生命の泉』の続編である。ヨアヒム・ローニングとエスペン・サンドベリが監督、ジェリー・ブラッカイマーが製作を担当する。本作にはジョニー・デップ(キャプテン・ジャック・スパロウ)、ハビエル・バルデム(キャプテン・サラザール)、ブレントン・スウェイツ(ヘンリー)、カヤ・スコデラリオ(カリーナ・スミス)、ジェフリー・ラッシュ(バルボッサ)たちが出演している。
テリー・ロッシオが2011年に本作の脚本を書き始めたことでプリプロダクションが始まった。2013年初頭、ジェフ・ナサンソンが新しい脚本家として雇われ、デップも加わって執筆が行われた。当初は2015年公開を目指していたが脚本や制作費の問題で2017年まで延期となった。オーストラリア政府がディズニーに2000万ドルの税優遇措置を提供したため、2015年2月からオーストラリアで主要な撮影が敢行された。
キャスト
- ジョニー・デップ - キャプテン・ジャック・スパロウ
- ハビエル・バルデム - キャプテン・サラザール
- ブレントン・スウェイツ - ヘンリー・ターナー
- カヤ・スコデラリオ - カリーナ・スミス
- ジェフリー・ラッシュ - キャプテン・ヘクター・バルボッサ
- ケヴィン・R・マクナリー - ギブス
- スティーヴン・グレアム - スクラム
- ゴルシフテ・ファラハニ - シャンサ
- デヴィッド・ウェンハム - スカーフィールド
- マーティン・クレバ - マーティ
- アンガス・バーネット- ムルロイ
- ジャイルズ・ニュー - マートッグ
- アダム・ブラウン - クレンブル
- ダニー・キレイン - ボラード
- デルロイ・アトキンス - マドックス
- ハナー・ウォルターズ - ビアトリス・ケリー
- オーランド・ブルーム - ウィル・ターナー
- キーラ・ナイトレイ - エリザベス・スワン
- ポール・マッカートニー - ジャックおじさん
登場
人物
- ジャック・スパロウ
- アルマンド・サラザール
- ヘンリー・ターナー
- カリーナ・スミス
- ヘクター・バルボッサ
- ジョシャミー・ギブス
- スクラム
- シャンサ
- ジョン・スカーフィールド (初登場)
- マーティ
- レサロ (初登場)
- サントス (初登場)
- マグダ (初登場)
- モス (初登場)
- ムルロイ
- マートッグ
- ピッグ・ケリー (初登場)
- ビアトリス・ケリー (初登場)
- ウィル・ターナー
- エリザベス・スワン
- デイヴィ・ジョーンズ
- 黒ひげ (言及のみ)
- マーガレット・スミス (初言及)
- ポセイドン (言及のみ)
- ガリレオ・ガリレイ (初言及)
- アルマンド・サラザールの父親 (初言及)
- アルマンド・サラザールの祖父 (初言及)
- スクラムの母親 (初言及)
- 悪魔 (言及のみ)
生物
船舶
- <ブラックパール号>
- <アン女王の復讐号>
- <ダイイング・ガル号> (初登場)
- <サイレント・メアリー号> (初登場)
- <フライング・ダッチマン号>
- <モナーク号>
- <エセックス号> (初登場)
展開
制作
『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉』の公開直前から『パイレーツ・オブ・カリビアン5』の準備が開始された。「エンターテイメント・トゥナイト」のリポーター、マーク・ステインズは2010年夏にユニバーサル・スタジオ・ハリウッドの野外撮影地を訪問した際、プロデューサー・ジェリー・ブラッカイマーは「4が受け入れられれば間違いなく5もやります。すでにストーリーにも取り掛かっていて5で自分たちが観たいおもしろい展開を用意しています。脚本家たちが今取り組んでいます」と語った。2010年12月3日、「HitFix」は、スタジオが5作目のあと続けざまに6作目を制作する予定であることから、ディズニーが時間に余裕を持って少しづつ5作目のキャストおよびクルーを発表し始めたと報じた。しかし現在製作しているのは5作目のみであると公表されている。
2011年1月13日、脚本家テリー・ロッシオが5作目の脚本を執筆することが確認されたが、共同作家であるテッド・エリオットは参加しないことがわかった。2011年5月、ロッシオがディズニーの重役に5作目の脚本を見せたと報じられたがのちにロッシオ自身によって否定された。ジョニー・デップは喜んでキャプテン・ジャック・スパロウに戻ると発言する。『生命の泉』が試写で好評であったことから、プロデューサー・ジェリー・ブラッカイマーは、5作目は独立したストーリーになると示唆した。
2011年6月、ディズニーは起用したい監督のリストを持っていると報じられ、ロブ・マーシャルは監督を引き受けておらず辞退もしていないとされた。リストの中にはティム・バートン、サム・ライミ、アルフォンソ・キュアロン、ショーン・レヴィ、クリス・ワイツ、そして『パイレーツ』1作目の監督ゴア・ヴァービンスキーらの名前があった。ディズニーで作品を作ったことが有りジョニー・デップとも仕事をした経験があるヴァービンスキーとバートンはリストの中でもトップの候補であった。2011年7月、ジェリー・ブラッカイマーはFacebookに、草稿が出来上がり作業を開始したと投稿した。ジョニー・デップも5作目に納得していると報じられた。2011年10月、ジェリー・ブラッカイマーはあらすじに取り組んでいることを認め、「脚本はあるがより良いものが作れるということで合意しました」と水面下で書き直しが進行中であることを仄めかした。ブラッカイマーはのちにテリー・ロッシオが5作目の脚本に関して「通常通りのよくある作業」を行っていると述べた。インタビューにおいてケヴィン・マクナリーは2012年には製作がスタートするかもしれないと発言している。『生命の泉』を興行的成功を受けてロブ・マーシャルが監督に復帰すると噂されていた。ところが2012年1月時点ではテリー・ロッシオはまだ脚本の手直し中であり、ロブ・マーシャルやジョニー・デップも契約していなかった。
2013年1月13日、ジェフ・ナサンソンが脚本家として雇われたが、ナサンソンがテリー・ロッシオの草稿を引き継いだのか、白紙の状態から新たに書き直したのかは明らかにされていない。1月14日、ディズニーは『パイレーツ・オブ・カリビアン5』の公開日を2015年1月10日に設定した。5月9日、Deadline.comは、ディズニーの短い監督リストにフレドリック・ボンド、ヨアヒム・ローニング&エスペン・サンドベリ、ルパート・サンダースらがいると報じた。5月29日、ノルウェーのデュオ、ローニングとサンドベリが監督することが確認された。プロデューサー・ジェリー・ブラッカイマーは当時のふたりの最新作『コン・ティキ』を観て彼らなら監督する能力があると確信したという。ローニングとサンドベリは『パイレーツ』5作目に興味を持ちハリウッドに渡って作業に加わった。ブラッカイマーは、公海の冒険と超自然的ホラーの混合作品になると語り作品の一部はルイジアナで撮影するかもしれないとした上で、「カリブ海も登場します、もちろん」と急いで付け加えた。
8月22日、ローニングとサンドベリは5作目のタイトルが元のアトラクション『カリブの海賊』で有名なフレーズとも重なるDead Men Tell No Tales(「死人に口なし」)になると発表した。デュオは製作を開始したことも認め、脚本を高く評価した上、第1作目『呪われた海賊たち』に影響を受けていると話した。サンドベリは「ジェフ・ナサンソンが書いた素晴らしい脚本があります。面白おかしく感動的です。すべてを実現できることを楽しみにしています」と話した。
2013年9月10日、脚本上の問題により2015年の公開予定を延期することが発表された。ジェフ・ナサンソンは評判の良い脚本をもとにアウトラインの修正を行った。
2014年3月18日、ディズニーの会長兼CEOのボブ・アイガーが『パイレーツ・オブ・カリビアン5』はまだ承認していないと述べた。2014年7月23日、ディズニーは新たな公開日を2017年7月7日として発表した。
2016年9月21日、日本でのタイトルが『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』になると発表された。
撮影
2013年、プロデューサー・ジェリー・ブラッカイマーは本作の一部をルイジアナで撮影するかもしれないと示唆し「カリブ海も登場します、もちろん」と急いで付け加えた。2014年1月15日、監督のヨアヒム・ローニングとエスペン・サンドベリは2014年末からプエルトリコやニューオリンズで撮影を開始すると明かした。ブラッカイマーはルイジアナでの撮影を話しており、ローニングとサンドベリは<サンセット>に乗ってプエルトリコのファハルドに出かけた。2014年6月、ブラッカイマーは2015年明けから撮影を開始できるだろうと述べた。
オーストラリアのジョージ・ブランディス芸術担当大臣のスポークスマンは、オーストラリア政府がもともと『海底二万哩』のリメイクに課す予定だった200万ドルの税優遇措置を『パイレーツ・オブ・カリビアン5』に使うことに同意したため、オーストラリアで撮影が行われることになったと発表した。オーストラリア映画業界のソースによれば、2014年9月下旬からプリプロダクションが始まり2015年2月から撮影が開始される予定であるという。これは2014年10月2日にディズニーとクイーンズランドの芸術担当大臣によって正式に肯定され、撮影はもっぱらオーストラリアのみで実施されることがわかった。これはオーストラリアでも史上最大規模の映画撮影である。ヴィレッジ・ロードショー・スタジオとポートダグラスで撮影すると公式に発表されている。
2015年1月1日、1897年スコットランドのバウリー船のレプリカで製造15年の<レインボー・ジプシー>がオーストラリア・ゴールドコーストに浮かべられ、<ダイイング・ガル号>に変身させるため新しい船首第一斜檣の取り付けや甲板や船室の再設計など大幅な改修が施された。
キャスティング
ジョニー・デップは喜んでキャプテン・ジャック・スパロウ役に復帰すると話し、「パズルのピースをすべてつなげられるのであれば、間違いなく参加します」と語った。2011年カンヌ国際映画祭で4作目が初公開された際、デップは観客に求められているうちは何度でも演じると話した。2012年8月、ジョニー・デップが契約書にサインしたとの報道が流れた。
ジェフリー・ラッシュはヘクター・バルボッサ役への復帰について「もしこのキャラクターの変身譚を続けてくれるのであれば、必ず」と話し、悪役として再登場することを示唆した。ラッシュはまた、バルボッサの誇大妄想癖が「悪い意味で爆発するかもしれない」と発言している。撮影前には上質な脚本ができていなければならないとも言い、「穴があるうちはこういうものを作り始めてはいけないんです。しかしいつ始まるかについては何も知りません」と付け加えた。2014年12月、ラッシュは出演を認め、彼とデップのキャラクターが「中心でありまったく新しいストーリーラインがある」とした。ラッシュはブラッカイマーに賛辞を送り、ノルウェーの監督コンビ、ヨアヒム・ローニングとエスペン・サンドベリを称えた。
この続編にジョシャミー・ギブスも登場するのかという話題になると、ケヴィン・マクナリーは思慮深げに、ギブスは「スクリーン外の海で魚に食われてしまうかもしれない」と話し、再び出演するか否か決定するのは彼ではないということを示した。マクナリーはギブス君の再登場を望むと発言し続けこのキャラクターは「観客に重要なポイントとなる部分を説明するための」役立つ駒であると説いた。
『三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船』のプレミアにおいて、オーランド・ブルームはオファーがあればもう一度『パイレーツ』シリーズに出演すると発言した。2012年9月、再びアンジェリカ役を演じるのかと尋ねられたペネロペ・クルスは何も聞いていないし脚本も読んでいないと答えた。2012年10月、キース・リチャーズはエドワード・ティーグの衣装を所持しており、友人で共演者であるジョニー・デップからの連絡を待っていると言った。リチャーズの出演について訊かれたブラッカイマーは「そう望んでいます。戻ってきてくれれば嬉しい。じきはっきりするでしょう」と話した。
リー・アレンバーグとマッケンジー・クルックの複数のインタビューが存在し、ふたりはピンテルとラゲッティの再登場について話した。クルックはエージェントが映画製作者たちと連絡を取り出演の可能性について話し合っていると明かした。
ディズニーがヘンリー役を演じる若い俳優を探してアンセル・エルゴート、タロン・エガートン、ジョージ・マッケイ、ブレントン・スウェイツ、ミッチェル・ホープ、サム・キーリーらを候補にしていると報じられた。2014年11月21日、オーストラリア人俳優ブレントン・スウェイツと出演交渉が行われた。2015年2月4日、アダム・ブラウンやデルトロイ・アトキンソンらも出演することが確認された。
2017年4月18日、キーラ・ナイトレイがエリザベス・スワン役で出演することが正式に確認された。
トリビア
- この作品はシリーズで初めてテッド・エリオットとテリー・ロッシオが脚本に関与しない作品となる。2011年の『生命の泉』公開前、ロッシオは脚本を書いていたが2013年にジェフ・ナサンソンのものに変更された。
- 2015年2月の製作開始時点では、製作総指揮の中にマイク・ステンソンとテリー・ロッシオの名前は見られなかった。このことからふたりは『パイレーツ』シリーズから離れたと考えられた。しかしロッシオのウェブサイト(Wordplayer)に「製作」リストと映画のクレジットにはふたりの名前が掲載されている。
- 音楽がハンス・ジマーから彼の愛弟子ジェフ・ザネルリに交代したことから、『最後の海賊』はシリーズで初めてハンス・ジマーが参加しない作品となった。